ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

“South Riding”雑感(3)

このところ超多忙でブログも本書もずっとサボっていたが、昨日ふたたび取りかかり、ようやく後半に突入。当初の直感どおり、これはもっとヒマなときに読むべき本でしたね。超大作というほどではないにしても何しろ長いし、ローカル・ピースとあってペースは…

“South Riding”雑感(2)

案の定、すっかりカタツムリ君になってしまい、なかなか遅々として進まない。理由は超多忙ということもあるが、いくらローカル・ピースが大好きなぼくでも、本書のペースがあまりにもゆるやかで、つい眠気をもよおしてしまうからだ。 とはいえ、ここには興味…

今年の英連邦作家賞(2011 Commonwealth Writers' Prize)

今年の英連邦作家賞の最優秀長編賞は、シエラレオネの作家、Aminatta Forna の "The Memory of Love" に決定した。これは今年のオレンジ賞最終候補作にも選ばれている。表紙を見たときから気になっていた本だが、ペイパーバック版は日本では店頭ならすぐに入…

“South Riding”雑感(1)

このところ多忙で本が読めず、今日からやっと Winifred Holtby の "South Riding" に取りかかった。これは去る2月下旬ごろイギリスでベストセラーになっていた本で、いかにもイギリスの田園風景らしい絵のカバーをひと目見て気に入った。 ほかにも興味を惹…

Paula McLain の “The Paris Wife”(2)

これは亡き恩師に、こんな本を読みました、と報告したかった。その昔、若気の至りでヘミングウェイ論らしきものをぶったとき、恩師はにっこり笑い、目を輝かせながらヘミングウェイの文体の魅力について解説してくださったものだ。研究書も何冊か斜め読みし…

Paula McLain の “The Paris Wife”(1)

ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー、Paula McLain の "The Paris Wife" をやっと読みおえた。例によってまずレビューを書いておこう。The Paris Wife: A Novel作者: Paula McLain出版社/メーカー: Ballantine Books発売日: 2011/02/22メディア: ハード…

“The Paris Wife” 雑感 (2)

あわよくばこの土日で片づけようと思ったが、結局「自宅残業」に追われ、今しばらくかかりそうだ。で、ボチボチ読んだ感想をまとめると、これは物語としてはまずまず面白い。ぼくのようにヘミングウェイのファンなら間違いなく興味を惹かれるはずだ。が、も…

“The Paris Wife”雑感(1)

もっかニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー、Paula McLain の "The Paris Wife" に取りかかった。売れているのはハードカバーだが、すでにペイパーバック版も出ているのでそちらを入手した。 これはまず例によって魅力的なカバーに惹かれたが、食指が動…

Amanda Hodgkinson の “22 Britannia Road”(2)

雑感にも書いたとおり、ぼくが読んだのは Trade Paperback 版のほうだが、食指が動いたのはハードカバーの表紙を目にしたのがきっかけだ。こういう見てくれのいい本に飛びつくと、外見どおり内容もすぐれている場合もあれば見かけ倒しのこともある。ヒットす…

Amanda Hodgkinson の “22 Britannia Road”(1)

去る4月、米アマゾンで月間最優秀作品に選ばれた Amanda Hodgkinson の "22 Britannia Road" を読了。さっそくいつものようにレビューを書いておこう。22 Britannia Road: A Novel作者: Amanda Hodgkinson出版社/メーカー: Pamela Dorman Books発売日: 2011…

“22 Britannia Road”雑感

"Matterhorn" についてひとつだけ補足しておこう。「なぜ今ごろヴェトナム戦争の小説なのか」という当初の疑問だが、これは結局、アメリカの作家があの戦争を「ひとつの人間的現実として冷静にとらえ」るには、30年以上もの長い年月を要した、ということなの…

Karl Marlantes の “Matterhorn”(3)

本書は「反戦でも好戦でもない立場からヴェトナム戦争を描いた」ものだとレビューに書いたが、もちろんここには映画「ハンバーガー・ヒル」を連想させるような激しい戦闘があり、「その経過を通じて戦争の狂気、不条理、無意味さがドラマティックに示される…

Karl Marlantes の “Matterhorn”(2)

ゴールデン・ウィークとは名ばかりで、仕事をまったくしなかったのは結局、今日一日だけ。宮仕えの男はつらいよだが、それでも本書を読みおえることができたので初期の目標は達成。明日から通勤中、分厚い本を持ち歩かなくてもいいと思うとホッとする。 くだ…

Karl Marlantes の “Matterhorn”(1)

昨年のタイム誌年間ベスト10に選ばれるなど、アメリカで大評判になった Karl Marlantes の "Matterhorn" をようやく読了。さっそくいつものようにレビューを書いておこう。(点数評価は後日)。Matterhorn: A Novel of the Vietnam War作者:Marlantes, KarlGro…

“Matterhorn”雑感(4)

この3連休は結局「自宅残業」に追われ、本書はボチボチしか読めなかった。久しぶりに家に帰ってきた社員研修中の娘も課題があるとかで、早々にまた入寮。そういえば、仕事が落ちついたら連絡をくれることになっている友人も何も言ってこない。ぼくだけじゃ…

“Matterhorn”雑感(3)

昨日も今日も出勤で疲れたが、いよいよ明日から待望の連休。多少は「自宅残業」をこなさないといけないものの、職場よりは気が楽だ。今夜は前祝いに痛飲することにしているので、その前に大急ぎで本書の感想の続きを書いておこう。 今はようやく中盤に差しか…