ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

“A Sudden Country”雑感(1)

 今度は何を読もうかとアマゾンUKのベストセラーを久しぶりに検索してみたら、先月読んだ Hans Fallada の "Alone in Berlin" が第8位にランクインしていた。これでやっと、同書がぼくの目にとまった理由が判明した次第。
 次いでニューヨーク・タイムズ紙と米アマゾンのリストを見ると、積ん読の本がまだ一冊顔を出していたので、そちらを読んでもよかったのだが、情報源がわかった本はイマイチ面白くない。というわけでへそ曲がりの本領を発揮、Karen Fisher の "A Sudden Country" に取りかかった。
 とはいうものの、え、こんな有名な本をまだ読んでなかったのかい、とバカにされそうな気がする。何しろ2005年に出た旧作で、PENフォークナー賞最終候補作と表紙に書かれているからだ。もしかしたら邦訳も出ているかもしれない。じつはぼくもかなり前から本書の存在だけは知っていた。やはりアマゾンUKのベストセラーリストあたりで何度も見かけたような気がする。ただ、何かのきっかけで買ったのが去年のいつだったか…。それを今ごろになって手に取るとは気の長い話だが、これでも積ん読日数は少ないほうだ。
 今日の午後から読みだしたばかりなのでまだ何とも言えないが、どうやらぼくの大好きなラブロマンスの要素もありそうだ。19世紀中頃のアイオワ州ミズーリ州などが舞台で、牛や馬の群れ、幌馬車も出てくるウェスタン調。子供たちが一人を除いて病死、妻にも出奔された男と、前夫の思い出が消えないまま再婚、子供を産んだばかりの女の物語が平行して進む。そんな二人が出会うのは必然…と思っていたら、本当に定石どおりだった。なんとなく大枠の見える話だが、明日が楽しみだ。