ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

今年のオレンジ賞と “The Memory of Love” 雑感(1)

 このところの過労のせいか今日はダウン。仕事を休み、midafternoon まで臥せっていた。その後なんとか動けるようになり、今年の英連邦作家賞(Commonwealth Writers' Prize)受賞作で、オレンジ賞最終候補作でもある Aminatta Forna の "The Memory of Love" に取りかかった。
 これを書きだした時点ではオレンジ賞のほうは未発表だったが、途中で休憩。夜中にふと目が覚めて検索すると、Téa Obreht の "The Tiger's Wife" が栄冠に輝いていた。今月中にペイパーバック版が出るそうなので、そちらを読むことにしよう。

Tiger's Wife

Tiger's Wife

 少しだけ "The Memory of Love" の印象を述べておくと、static な筆致がとてもいい。舞台はアフリカのさる都市(裏表紙を見るとはっきり書いてあるのだが、今まで読んだ範囲では地名は出てこない)。大学教授らしい Elias Cole という男が精神科医の Adrian Lockheart を相手に30年前の出来事を物語る。どうやら同僚の妻に恋をしたらしい。一方、Adrian はイギリスに妻をのこし、1年契約でその都市の病院に勤務している。こちらも親しい同僚との交流が始まったところ。裏表紙にはもっと詳しい紹介があり、なかなか面白そうだ。