ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

“Into the Darkest Corner” 雑感 (1)

 昨日まで "The Night Circus" についてずいぶんミもフタもない駄文を書き連ねてしまったが、これが「蠱惑的なタイトルから予感されるとおり、いや、それ以上に読者の心をわしづかみにする」すばらしい出来ばえであることは間違いない。余計な屁理屈をこねず、とにかくこの作品世界にどっぷりつかって楽しむのがいちばんだろう。
 さて、今日からボチボチ、Elizabeth Haynes の "Into the Darkest Corner" に取りかかった。ノンフィクションもふくめたアマゾンUKの年間ベストテンに選ばれた本だが、読みはじめたとたんガクっときた。これ、ミステリじゃないですか! ベストテンのトップに挙げられているし、カバーも印象的ということで注文したのだが、ミステリとわかっていたらたぶんパスしたことだろう。
 といっても、べつにミステリにたいして偏見をもっているわけではない。それどころか、大昔は謎解きものに始まり、ハードボイルドやスパイ小説などを読み漁ったものだ。が、もう十年以上も前、『アンナ・カレーニナ』を英訳で読んだときから、海外の純文学にすっかりハマってしまった。以来、今回のように勘違いした場合をのぞき、ミステリはほとんど読んだためしがない。
 でもまあ、せっかく買ったのだから、と思い直して先を読みつづけている。冒頭は裁判シーンで、Lee という男が恋人の Catherine にかかわる何らかの事件に関与したのではないかという文脈。これが2005年の話で、事件は2004年に起きたようだが概要すら不明。そのあと、この Catherine が中心人物となり、2003年と2007年の物語が交互に進むという展開である。今のところ、まずまずおもしろい。
 その粗筋を簡単に紹介しようと思ったが、年末以来の頭痛がまだ完全には消えておらず、ここまで書いただけでもう気分がわるくなってきた。まったく弱りました。