ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

“Ready Player One” 雑感 (1)

 今日の〜仕事はつらかった…♪ あぁとは〜チューハイをあおるだけ…♪ 職場が繁忙期に入り、夕刻になってやっと帰宅したところ。ふと、岡林信康の歌を思い出した。焼酎ではなく、チューハイというところがモダンですかね。
 一杯やる前に大急ぎで書いておこう。今年のアレックス賞受賞作のひとつ、Ernest Cline の "Ready Player One" をボチボチ読んでいる。ぼくはこの賞の受賞作はいつも、毎年1月の発表時点でペイパーバック化されている作品のうち、気になったものだけ読むことにしている。だから読み洩らしが多いのだが、この "Ready Player One" は、去る4月にペイパーバックが出るのをたまたま知り買い求めていたものだ。今検索すると、米アマゾンではレビュー数846で星4つ半。ものすごい評価である。
 まだほんの序盤だが、それほどまでに評判がいい理由はよくわかる。これがテレビゲーム・ファンの夢を実現したようなSFだからだ。舞台は2044年オクラホマ・シティーで、主人公は Wade という18歳の高校生。彼は、画期的なテレビゲーム OASIS の仮想現実世界のどこかに隠されたクレジットを探している。5年前に死んだゲームの考案者で億万長者の James Halliday の遺言で、クレジットの第一発見者が Halliday の全財産を相続することになっているからだ。
 この OASIS は単なるゲームではなく、人間生活のあらゆる領域にわたって仮想現実の世界を提供し、今や一種の文明さえ形成している。たとえば OASIS によってオンライン教育がおこなわれ、歴史の授業では、生徒は家にいながら繁栄時の古代都市を訪れ、その発掘現場も見物する。旅行も地球上の各地だけでなく、ほかの惑星、外宇宙へと思いのまま。本や映画、音楽などについては説明するまでもないだろう。OASIS はまさに現代文明の集大成なのだ。
 というわけで、テレビゲームのマニアならヨダレが出るようなお話と推察するが、ぼくはあいにく、昔からゲームには関心ゼロ。いろいろ古いゲームソフトの歴史を聞かされてもまるでピンとこない。Halliday が少年時代にスター・ウォーズ3部作やインディ・ジョーンズ3部作が大好きだったというくだりにはニヤッとしましたけどね。
 …中途半端な紹介だが、そろそろ晩酌タイムなので今日はこれにて。