ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

“Ready Player One” 雑感 (2)

 おととい晩酌の度が過ぎて昨日はダラダラ過ごしてしまった。このところ、仕事→ストレス→アルコール→怠惰→仕事の悪循環からどうも抜けられない。サラリーマンの通弊でしょうか。
 閑話休題。"Ready Player One" はようやく中盤に差しかかったところだ。改めて米アマゾンを検索すると、レビュー数が850に増えて相変わらず星4つ半。ぼくは率直に言って、そんなにいいとは思わないが、たぶん後半にぐっと盛り上がるんでしょうな。
 イマイチ乗れないのは、ぼくの無知によるところも大きい。1980年代のテレビゲームが物語の展開に重要な役割を果たしているのだが、それが実際にあったゲームなのかどうか区別がつかない。面倒くさいのでいっさい調べていないが、たとえホンモノでなくてもモデルとなったゲームはあるはずで、その点、これは「テレビゲーム・ファンの夢を小説化したようなSF」であるだけでなく、オタク族にとってレトロな、ノスタルジックな小説なんだろうと推察する。ああ、あのころは夢中になってプレイしましたなあ、というわけだ。それを小説のネタにしているところがうまい…のかな。
 それからこれはゲーム小説、CG映画小説とも言える。億万長者 James Halliday の遺産を相続する者は、仮想現実世界のどこかに隠された3つの鍵を見つけ、3つの門をくぐらなければならない。第1の鍵 Copper Key を最初に発見し門を突破したのが主人公の少年 Wade で、その模様はまさにテレビゲームそのものである。Wade のアバターが怪物相手に古いゲームで雌雄を決するのだ。
 その後、冒険小説、青春小説の様相も呈しはじめているが、ぼくは映画『マトリックス』や『インセプション』、最近観た『バトルシップ』、そしてもちろん『アバター』などを思い出し、あの手の映画が大好きな人は本書も無我夢中で読みふけるんだろうな、と想像しています。あ、ぼくも何だかんだと斜に構えつつ、それなりに楽しんでますよ。