ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

“A Happy Marriage”雑感(3)

 大晦日の晩からメタボな生活が始まり、昨日の朝、体重を量ったら2キロもアップ。あわててジョギングを再開したが、晩にはまた一杯やってしまい、この調子だと元に戻すのが大変だ。
 三が日は映画を何本か見ようと思っていたのに、飲んでいるうちに決まってダウン。最後まで見たのが唯一、「クリクリのいた夏」だけとは情けない。でもこれは、ゲージュツ映画の苦手なかみさんも珍しく堪能した様子だった。あ、それからもう一本、久しぶりに「禁じられた遊び」も最後まで見ました。
 というわけで、この "A Happy Marriage" もまだ読了していない。読みはじめてからもう10日くらいたつのかな、いけませんね。ただ、そのあいだ構成が少しも変化していないので、断片的に取り組んでも鑑賞にはまったく差し支えない。要するに「一粒でふたつの味」で、過去編はある夫婦の出会いを描いた恋愛小説、現代編は末期ガンに冒された妻を夫が看病する家庭小説だ。
 そのうち、しみじみと心に迫ってくるのはやはり現代編のほうで、読みながらつい自分の家族のことを考えずにはいられない。ひとつ、あ、これはほんとうだな、と思ったのは、妻とその両親、夫と義理の両親の関係が綺麗事だけでおわっていない点である。たとえば、妻は自分の葬儀が行なわれる教会を両親の意向とはべつに選び、墓地についても自分の希望を主張する。それを聞いていた夫は、そういえば…と、昔あった妻と両親との対立を思い出し、自分がその板ばさみになったこと、自分も義理の両親とぶつかりかけたことを思い出す。
 そういう苦い思い出の中に和解のテーマがあり、それからもちろん、永遠の別れというモチーフが現代編全体に流れている。年とともに涙もろくなっているぼくはこんな話に弱く、それもあってなかなかページが進まない。