ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

Khaled Hosseini の “And the Mountains Echoed” (2)

 腰の痛みはいくぶん和らいできた。しかし毎度、宮仕えの男はつらいよ、というやつで、無理をしないようにと思いつつ無理をしながら仕事をしている。早く楽隠居したいものだ。
 閑話休題。雑感にも書いたとおり、この "And the Mountains Echoed" は先月末にいち早く入手。試しに少しだけ読んでみたものの、腰痛その他、諸般の事情でずいぶん読了が遅れてしまった。
 その事情を本書にしぼると、待ちに待った Hosseini の新作! というわりにはイマイチだったからである。むろん、わるくはない。それどころか、ぼくとちがってきっと、開巻からクイクイ読める人もいることだろう。
 いまネットを検索すると、米アマゾンでは星4つ半(レビュー数873)、英アマゾンでも星4つ半(165)と、爆発的な人気を博している。たぶん、日本の読者のあいだでもおなじような評判ではないかと推測する。
 だが、ぼくは自分でもまったく意外なことに当初、「読みはじめるとすぐに眠くな」り、先週、改めて取り組んでからも、「腰の痛みを忘れて読みふけるほどの出来ではない」と判断。その印象は最後まで変わらなかった。
 そんなアマノジャクの評価はべつにしても、少なくとも、前作 "A Thousand Splendid Suns" [☆☆☆☆★] を無我夢中で読んだ人なら、「待ちに待った新作」にしてはそれほどでもないな、と思われた方が多いのではないでしょうか。(デビュー作の "The Kite Runner" は、まことに恥ずかしながら未読。なにしろ、ぼくが現代の海外文学にハマった2006年以前の作品は、ろくに catch up できていないのです)。
 とにかく、Hosseini なら、もっともっと楽しませてくれてもよかったのに! 感想をひとことで言えばそうなります。