ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

Marilynne Robinson の “Lila”(1)とギリアド四部作

相変わらず体調がパッとせず、今回もずいぶん予定より遅れてしまったが、なんとか Marilynne Robinson の "Lila"(2014)を読了。"Gilead"(2004)に始まり、おそらく "Jack"(2020)で最後と思われるギリアド四部作の第三作である。刊行年に全米批評家協会…

Maggie O'Farrell の “Hamnet”(1)

Maggie O'Farrell の "Hamnet"(2020)を読了。周知のとおり2020年の全米批評家協会賞ならびに女性小説賞の受賞作で、ニューヨーク・タイムズ紙が選んだ年間ベスト5小説のひとつでもある。さっそくレビューを書いておこう。 Hamnet: Winner of the Women's …

Richard Russo の “Empire Falls”(2)

絶不調というほどではないが相変わらず不調。胃の痛みはまだ少し残っているし、風邪のほうも喉の痛みはなくなったものの、こんどは咳が出るようになった。喘息が再発しなければいいのだけど。 というわけで今週も読書はまったりペース。ご存じ Maggie O'Farr…

Brit Bennet の “The Vanishing Half”(1)

胃のほうは薬のおかげでだいぶ痛みが治まってきたのだけど、こんどはまた風邪をひいてしまい、まるで変声期のようなガラガラ声。微熱の一歩手前のような熱もある。コロナでないことを祈るばかりだ。 ともあれ、上の事情でボチボチ読んでいた Brit Bennet の …

Richard Russo の “Empire Falls”(1)

この二週間ほどずっと胃が痛く、休み休みの読書になってしまった。きょう診察してもらったところ、どうやら逆流性食道炎の再発らしい。薬が効きはじめるまで我慢するしかなさそうだ。なにはともあれ、きのう Richard Russo の "Empire Falls"(2001)をやっ…

Souvankham Thammavongsa の “How to Pronounce Knife”(2)

これは既報のとおり、昨年のギラー賞(Scotiabank Giller Prize)の受賞作、および全米批評家協会賞の最終候補作。ギラー賞はカナダで最も権威ある文学賞だけど、そう聞いてもピンとこない日本人読者がきっと多いはずだ。全米批評家協会賞にしても、〈アメリ…