ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

“How to Breathe Underwater”雑感(2)

 目ざす本を検索したら、その関連書も読みたくなり、そちらのページを開いたら今度はまたべつの本に目移りする。これがネット時代における未知の作品の発見法のひとつだろう。何年か前はいつもそんな調子で本を買いこんでは積ん読したもので、いまだにその山を切り崩していない。そのうち有名な賞の受賞作や候補作、ベストセラーなどを追いかけるようになり、この方法の醍醐味を忘れかけていたところだが、本書は久しぶりにそうやって見つけた本である。
 一口に関連書と言っても数十冊紹介されていることもあり、ネットサーフィンで自分好みの作品を見つけるのは大変なようだが、ぼくの場合は簡単。気に入った表紙の本にまず当たりをつける、というミーハー趣味を発揮するだけだ。その点、本書などは典型的で、下着姿の若い子が何人か川で泳いでいる写真を見てミーハーならぬオジサン趣味で選んでしまい、タイトルを最初、"How to Breathe Underwear" と勘違いしていたくらいだから救いようがない。
 閑話休題。今日は2話しか読めなかった。相変わらず少女や若い女性が主人公で、主人公と対立関係にある相手が必ず存在し、その相手とからみあううちに事件が起こる、という図式だ。たとえば、昨日読んだ第3話 "The Isabel Fish" では、兄の恋人と車に同乗していて池に突っこみ、恋人は死亡、自分もあわや死にかけた妹が主人公だ。昔から妹をいじめていた兄は事故後、彼女を完全に敵対視するようになる。一方、両親は彼女から水への恐怖を取り除こうとダイビング教室にむりやり通わせるが…。本書のタイトルと直結した作品である。
 この妹もそうだが、本書における主人公は不器量で地味な性格、たとえ男の子の目に止まることがあっても、彼はすぐに魅力的な従姉や友だちのほうに心を奪われてしまう。それゆえ、主人公は若いなりに自分の人生をふりかえり、常に悶々としている。例外もあるが、だいたいそんなパターンが多い。肝心の出来ばえはかなりいい。最初こそピンとこなかったが、上の第3話から快調になってきた。明日はどうでしょうか。