ああ、やっと『ジェイン・エア』が "Jane Eyre" になった!
高1のときだったか邦訳で読んだきりの『ジェイン・エア』。これもいつだったか一度観たきりのフランコ・ゼッフィレリ監督作品『ジェイン・エア』(1996)。
なかなかゴキゲンな映画だったけど、いい気分になったということしか憶えていない。そもそも原作のほうも、とてもおもしろかった、大筋はなんとく、という程度。
それが原書に取り組む前の「予備知識」だった。
そんな作品をどうして読みたくなったかというと、「現代から古典まで」と本ブログの紹介で謳っておきながら看板に偽りあり。いままで採りあげた19世紀英米文学の名作といえば、"Moby-Dick"(1851)だけ。それも英語で読みかえすのはあきらめ(原書をお読みのかたならご理解いただけるでしょう)、テクストは邦訳だった。
数年前に退職してから、このニセ看板がずっと気になっていた。
これをなんとかしなければと思いつつ、ただ、なにしろディケンズをはじめ大作が多い。ヘンリー・ジェイムズをはじめ、難解で知られる作品も多い。そこでついつい、あと回しになってきた。
それでももう古希もすぎ、このへんで手をつけておかないと、ますます作業が困難になるのは目に見えている。じっさい、いまも血圧が高い。
そこで思いついたのが『ジェイン・エア』。お粗末な予備知識ながら、あれならなんとかイケるのでは、とひらめいた。英語の難易度はさておき、中身といい長さといい手ごろかもしれん。
正解でしたね。たしかに古典入門篇って感じだったし、雑感(2)で報告したとおり、イマイチ疑問をおぼえる箇所はいくつかあったけれど、総じて標準的な英語だった(ただしもちろん古い英語)。もっと早く取り組むべきでした。いや、それをいうなら、大昔、そもそも英語が好きになったときテクストに選ぶべきでした。あ、これはどこかでボヤきましたな。(つづく)