ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

Günter Grass の “Cat and Mouse”(1)

Günter Grass の "Cat and Mouse"(原作1961、英訳1997)を読了。周知のとおり、これは "The Tin Drum"(1959 ☆☆☆☆★★)に始まるダンツィヒ三部作の第二作である。さっそくレビューを書いておこう。 CAT AND MOUSE 作者: Gunter Grass 出版社/メーカー: Rando…

Orhan Pamuk の “The Museum of Innocence”(2)

大型連休の初日。ぼくも久しぶりにのんびり朝から本を読んで過ごした。こんな日は、やむを得ぬ事情で今月から元の職場に復帰して以来、初めてかもしれない。 そこでやっと、Orhan Pamuk の "The Museum of Innocence"(原作2008、英訳2009)の落ち穂拾いをす…

Annie Ernaux の “The Years”(1)

ゆうべ、横浜のさるホテルで催された某氏の米寿を祝う会に出席。ここで名前を書くと、え、とみなさんが驚くような有名人も祝辞を述べた。そのあと会場のあちこちで昔話に花が咲き、ぼくも来し方をしばし振り返った。その歳月を文字で表現するなら、どういう…

2019年ピューリツァー賞発表

アメリカ東部時間で4月15日午後3時、今年のピューリツァー賞(本ブログではいままで「ピューリッツァー賞」と表記していましたが、今回から『ロングマン英和辞典』の表記に改めました)が発表され、小説部門では、Richard Powers の "The Overstory"(2018…

"The Years" 雑感(3)

きょうは朝、ユンケルを飲んでから出勤。午前中で仕事が終わったあと、ジムでひとっ走り。長い長い一週間がやっと終わった。 電車の中で読んでいる本は相変わらず、今年のブッカー国際賞最終候補作、Annie Ernaux の "The Years" だが、相変わらず、つまらな…

"The Years" 雑感(2)

一年ぶりに職場へ復帰し、通勤ラッシュの人波にもまれる生活が再開。おかげで読書のスピードもカタツムリくん。「ブログはヒマな人がやるもの」という昔聞いた同僚の言葉を実感している。(お仕事が多忙なブロガーのみなさんを中傷する意ではありません。あ…

今年のブッカー国際賞ショートリスト予想

そろそろ Orhan Pamuk の "The Museum of Innocence" の落ち穂拾いをしなければ、と思いつつ〈自宅残業〉に追われている。その合間にボチボチ読んでいるのが Annie Ernaux(フランス) の "The Years"(原作2008、英訳2017)。ご存じのとおり、今年のブッカ…

Rebecca Makkai の “The Great Believers”と今年のピューリツァー賞予想

ゆうべ、Rebecca Makkai の "The Great Believers"(2018)を読了。周知のとおり、これは昨年のニューヨーク・タイムズ紙選ベスト5小説のひとつである。ぼく自身、これで同紙のベスト5小説は久しぶりにぜんぶ読んだことになる。さっそくレビューを書いてお…