旅行5日目。富良野〜旭川〜札幌という日程。今日も爆睡モードだったが、砂川SAに到着する寸前に最後の短編を読みおえた。本来ならレビューを書くまわりだが、旅先ということでケータイしか使えず不便この上ない。そこでひとまず、1話だけの簡単な感想を。
これはパターンとしては、パキスタンの「平凡な市井の人々の人生における有為転変を淡々と綴った」もので、主人公は、例の地主の息子に雇われた園芸師の老人。長らく天涯孤独の身だったが、ある若い娘を紹介されて結婚、人生の最後になってようやく幸せをつかんだかに思えたが…。
これでもう4つ目の同じような展開なので結末の予想は簡単につくが、それでも「つかのまの幸福、はかない人生の悲哀をしみじみと感じさせる」見事な仕上がりだ。この叙情性は前半の作品よりもさらに深化しているような印象を受ける。ひょっとしたら、この短編集はやはり初出順に作品が配列され、次第に作者の作家としての成長を物語っているのかもしれない。
以上、札幌市内のホテルに着く前、バスの中で何とか書きおえた。