Ayana Mathis の "The Twelve Tribes of Hattie" をボチボチ読んでいる。Michiko Kakutani の 10 Favorite Books of 2012 の一冊で、今月、英米アマゾンでも優秀作品に選ばれ、はたまた Oprah's Book Club では2012年の作品としてリストアップ。アメリカ版が昨年12月、イギリス版が今年1月の発行ということでバラつきが出たのかな、どうでもいいけれど。
Kakutani 女史は、ぼくの評価では☆☆☆★★だった Kevin Powers の "The Yellow Birds" もお気に入りに選んでいるので、ぼくとは若干趣味がちがうようだけれど(過去はどうだったかは憶えていない)、自分と異なる見方をする人の推薦本を読むのも勉強になるはずだ、と思って取りかかった。女史のレビューは未読。読むと自己マンの駄文を綴る意欲が失せてしまうだろう。
しばらく読んでいるうちに気づいたのだが、これ、たまたま先週末に読みおえた Liza Klaussmann の "Tigers in Red Weather" と似通った構成になっている。あちらは最初、独立した中編の連作だったものが次第に長編の一部となり、最後には歴とした長編に仕上がっていた。それにたいし、こちらは今のところ連作短編集。"Tigers in Red Weather" より独立性の強いエピソードがつづいていると思われるが、同じく長編へと収斂しそうなおもむきもある。これまた結局、やっぱり長編ということになるかもしれない。
第1話(第1章?)は、たぶんイントロ。1925年、ジョージアの田舎町から大都会フィラデルフィアに出てきた17歳の黒人娘 Hattie が双子を出産。ところが二人とも肺炎にかかって死んでしまう。
第2話は1948年に飛び、Harttie の長男 Floyd が主人公。女たらしで、ジャズ・トランペッターとして各地を転々とするうちジョージアの町で……あ、これはネタを割らないほうがいいかも。
第3話はその2年後、次男なのかな、15歳の少年 Six が主人公。幼いときにひどいやけどをして、今でも痛みが残っている。あるとき霊感を受け、キリスト教の説教師として各地をまわり、アラバマの町にやって来たとき……。
粗筋だけで、内容のポイントにふれる時間がなくなってしまった。中途半端だが、きょうはこれにて。