恋愛にはじつは、前回までざっと書いてきたこと以外にも重大な問題がある。D. H. Lawrence の "Apocalypse" の邦題(福田恆存訳)を借用すると、「現代人は愛しうるか」という問題である。
が、これについて詳しく論じる時間はない。その代わり、Lawrence の "The Rainbow" と "Aaron's Rod" の昔のレビューを再録しておこう。
The Rainbow: Cambridge Lawrence Edition (Penguin Classics)
- 作者: D. H. Lawrence,James Wood,Mark Kinkead-Weekes,Anne Fernihough
- 出版社/メーカー: Penguin Classics
- 発売日: 2007/07/11
- メディア: ペーパーバック
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Aaron's Rod: Cambridge Lawrence Edition; Revised (Classic, 20th-Century, Penguin)
- 作者: D. H. Lawrence,Mara Kalnins,Steven Vine
- 出版社/メーカー: Penguin Classics
- 発売日: 1996/03/01
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ところで、いまは Lauren Groff の "Fates and Furies" を読んでいる。これは周知のとおり、昨年の全米図書賞と、今年の全米書評家協会賞(対象はともに2015年の作品)の最終候補作だ。
途中、"The Sound and the Fury" の話が出てきたので(p.118)、あ、そうか、Faulkner の小説と同じく、これもシェイクスピア劇が元ネタの題名かなと思ったが、ネットで検索するかぎり、どうもそうではないようだ。調べているうちに、本書はなんと、オバマ大統領が2015年のお気に入り作品に選んでいることがわかった。
2部構成で、第1部が "Fates"、第2部が "Furies" とそれぞれ題されている。後半のほうがおもしろいような気がする。
(写真は、宇和島市寺町界隈の終点にある伊達家の菩提寺、金剛山大隆寺の庭。南国らしい風景だ)