ボチボチ読んでいたが、やっと終盤に差しかかってきた。眠い目をこすりつつ、少しだけ、今までの内容を振り返ってみよう。
まず、看板に偽りあり、と言いたくなるほどテロの話題はなかなか出てこない。主人公 Alice をふくむコミュニストのグループが爆弾製造に取りかかるのは、全375ページ中、なんと300ページ前後から。しかも、直接のきっかけは偶然に近く、前半から周到に準備しながらテロ活動にいたるわけではない。
裏を返せば、何ということもない日常生活からテロが生まれる、ということなのだろうか。そのあたり、メモをじっくり読み返す必要がありそうだ。
Alice は善人である。これは疑う余地がないと思う。彼女は活動資金の調達や、住みついた廃屋の修復、居住許可を得るための市当局との交渉、買い物や料理など、ほかのメンバーのために献身的な努力を続ける。グループが家族であるかのような感傷にひたることもあり、涙もろい。それがテロ活動に参加するのだから good terrorist ってことなのかな。
一方、ほかのメンバーはとにかく自分勝手。彼らと Alice の衝突や軋轢、そして上のような彼女の孤軍奮闘ぶりが小さなエピソードを構成している。
というわけで、旅行にはまったく不向きな本ですが、そうとは知らず、先週、カバンの中に詰め込んだのが運の尽き。明日には読み終えられるでしょうか。
(写真は、先週宿泊した浅虫温泉のホテルからながめた陸奥湾)