きのう Jonathan Escoffery の "If I Survive You"(2022 ☆☆☆★★)を読みおえ、今年の(途中から決めた)読書予定も終了。
あしたから十何年ぶりかでスキー旅行に出かけ、人生ではじめてスキー場で年末年始をすごすことになっている。そのため、毎年大みそかに発表していた一年のマイ・ベスト小説もきょう選ぶことにした。
そこでEXCELに打ちこんでいる既読本リストをながめたところ、ああ、なんたる惨状! もともと少なかった読書量がすっかり激減しているではないか。いつかも書いたが、まさにビンゴー・キッドくん衰えたり、ですな。
その理由はその記事でしるしたとおりなのでカット。さっそく高得点の作品を読んだ順に挙げてみると、
1. "Troubles"(1970 ☆☆☆☆★)
2. "The Siege of Krishnapur"(1973 ☆☆☆☆★)
3. "Submission"(2015 ☆☆☆☆)
な、なんと、たった三冊! それも旧作ばかりとは。でもしかたない。これが自動的に今年のベスト3ということになる。順位もこのままでいい。J. G. Farrell、いまの評価はどうなっているか知らないけれど、まちがいなく文学者と呼ぶにふさわしいホンモノの作家です。
で、新作はどうだったかというと、これまた驚いたことに最高は☆☆☆★★。まるでぼくの低調ぶりと比例しているみたいだ。このなかからベストを決めるのはさすがに気が引けるので、比較的新刊のペイパーバックに選択範囲をひろげると、
4. "Tomb of Sand"(2018 ☆☆☆★★★)
5. "The Love Songs of W. E. B. Dubois"(2021 ☆☆☆★★★)
"Tomb of Sand" はご存じ去年の国際ブッカー賞受賞作で、"The Love Songs ..." のほうは同じく去年の全米批評家協会賞受賞作。どちらもデカ本につき、catch up がすっかり遅れてしまった。"Tomb of Sand" ですかね、今年のベスト(ほぼほぼ)新刊小説は。
この二冊のあとに読んだ "The Book of Form & Emptiness"(2021☆☆☆★★)と "Demon Copperhead"(2022 ☆☆☆★★)もやはりデカ本で、この四冊のおかげでぼくは読書意欲をかなり喪失。"Demon Copperhead" にいたっては、読んでいる最中から、早く終わらんかいとキレてしまった。(結果的に、これが上の衰えの一因となることに)。ほんとにおもしろい本なら、いくら長くても気にならないんですけどね。
超大作といえば、まだ落ち穂ひろい中の "The Bee Sting" も長かった。とはいえ、こちらはキレるほどではなく、途中けっこう楽しめたので、これを加えて今年のベスト6か。ブッカー賞候補作の格付けでは第4位としたが、ゴヒイキということで。
6. "The Bee Sting"(2023 ☆☆☆★★)
それにしても、このラインナップからもいかにお粗末な読書生活だったかよくわかる。去年のようにベストテンなんてとても選べたもんじゃない。
これではいかん、と来年は奮起したいところだが、その前にスキー。岸信介によると、長生きの秘訣は「転ぶな、風邪をひくな、義理を欠け」だそうだが、ぼくの場合はヘタの横スキー(このおやじギャグ、昔ホメられた)。ヘタに転んで骨折しなければいいんだけど、といまから心配している。あと、ほかのスキー客と激突するのもコワい。
最後に、いつものセリフのコピペですが、自己マンの拙文にスターをつけてくださったかた、あらたに読者になっていただいたかた、そのつどお礼を申し上げねばと思いつつ、今年もズボラに放置してしまいました。ここでお詫びとともに感謝申し上げます。みなさま、どうぞよいお年を!
(一年の締めにはバイロイト盤の第九を聴くのが恒例だったけど、今年はとくに後半、洋楽ばかり聴いていた。いまもこれを流している)