ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

"My Friends" 雑感

 やっと現代文学にもどってきた。現代の場合なら、なにから読むか、などと迷うことはない。深く考えず、ちょっとでも興味を惹かれたものから手に取ればいいだけだ。
 ぼく自身はこの時期、なんといってもブッカー賞候補作。旧大英帝国ならびにアメリカ産の新馬が覇を競うのだから、これほど面白いレースはまずない。
 ただ、本ブログを開設した当初は、いちおう全候補作の読破を目標にしていたものだけど、いまやそんな気力はまったくない。もちろん衰えたせいだが、経験上、当たり外れがけっこうあることに気づいたのも一因だ。
 それに近年は、リンク先の The Mookse and the Gripes Group という便利なサイトを利用。ロングリストの発表前から、人気作や有力候補作の情報が得られ、しかもその情報が結果的に正しいことも多く、昔のようにランダムに手を出さなくてもよくなった。
 さて、今年の下馬評によるベスト3はいまのところ、つぎのとおり。(1, 2位は集計方法のちがいによるもの)
1 or 2. My Friends by Hisham Matar
2 or 1. James by Percival Everett
3. Playground by Richard Powers
 ぼくはこのうち、"My Friends" をいま読んでいて、"James" は注文したばかり。Richard Powers はとても才能のある作家だとは思うけれど、ショートリストにのこらなかったらパス。二冊だけ読んだことのある旧作どちらも、ぼくの好みには合わなかった。
 旧作といえば、EXCELの読書リストで今年のロングリスト作家を検索したところ、Powers や Hisham Matar をふくめ、七人の作家、八作品がヒット。上の下馬評のランキング順に紹介すると、

 2006年のブッカー賞最終候補作、"In the Country of Men"(2006 ☆☆☆★★)についていえば、全体主義と青春小説・家庭小説、とでも要約できそうな内容だったようだ。これは一部、こんどの "My Friends" にも当てはまりそうです。文字どおりの「雑感」でスミマセン。