ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

"The Conservationist" 雑感

 Nadine Gordimer の "The Conservationist"(1974)を読んでいる。Gordimer は周知のとおり南アフリカの作家で、1991年にノーベル文学賞を受賞。本書は74年のブッカー賞受賞作である。
 恥ずかしながら、それくらいのことしか Gordimer については知らなかった。遅まきながら、未読の名作傑作の山を少しずつ切り崩さなければ、という〈文学のお勉強シリーズ〉の一環で取りかかった次第だ。
 それから、最近は新刊を買うゆとりがない。例年だと、この時期はコスタ賞や全米批評家協会賞の行方が気になるところだが、もっか、年金生活が始まる前にと思い、名盤のCDや名画のDVDに小遣いを注ぎ込んでいる。今年からどの文学賞も後追いになりそうだ。
 などと駄文を連ねているのは、いまのところ、この "The Conservationist" が予想に反してあまり面白くないからだ。話がなかなか先へ進まず、すぐに眠くなってしまう。
 が、駄作とは思えないフシが多々あり、それをノートにメモしている。そのメモを読み返すと、いつもなら人物関係や心理、話の展開に関するものが大半なのに、本書の場合は、文体や叙述形式に関するものが多い。「繊細。緻密。突然のカットバック。しんねりむっつり。視点のゆらぎ? 暗示。省略多し」といった具合だ。
 粗筋も紹介しようと思ったが、まだ紹介するほどでもないだろう。もう少し話が進んでくれるといいのだけれど。
(写真は宇和島市妙典寺)