ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

“A Gate at the Stairs” 雑感(2)

 連休が明けたと思ったら地獄の毎日。日程的にはきつくないのだが、なにしろ休むべき日に休まず仕事をしたせいで疲労困憊。加えて、急にまた身体を動かすようになった生活に身体がついて行かない。おかげで本書も前回からさっぱり進まず、なんら作品の本質が見えてこない。
 ジャンル的には、ローカルピース、青春小説、家庭小説…いろんな要素をはらんだ小説のようだ。冬のイリノイ州の大学町が舞台で、主人公の大学生 Tassie がレストランの女店主 Sarah にベビーシッターを頼まれる。といっても、赤ん坊はまだ生まれておらず、Tassie より若い娘が妊娠中。これがワケありの妊娠で、やがて生まれてくる子供を Sarah が引き取ることになっている。
 Sarah には夫がいるものの疲労、孤独の翳があり、また Tassie 自身にも孤独と喪失感がつきまとっている風情。二人のからみを中心に、まだ顔を出していない Sarah の夫も重要な役割を果たしそうな予感がするが、なにしろ上の事情でよくわからない。
 Tassie はエレキギターを演奏する現代っ子だが、へえ、と思ったのはバッハの「フランス組曲」が出てきたこと。グレン・グールドの名盤に自問自答の曲想を聴きとる話で、ぼくもひと頃、グールドに凝ったことがあるだけに共感。ただ、今ではレオンハルト盤のほうに手が伸びることが多い。これを書いている今も聴き流している。明日は何年ぶりかで個人的な飲み会。ストレスが発散できるといいのだけど…

バッハ:フランス組曲(全曲)

バッハ:フランス組曲(全曲)