ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

Ron Rash の “Burning Bright” (2)

 恥ずかしながら、フランク・オコナー国際短編賞の受賞作を読んだのは本書が初めてだ。かの有名な "A Thousand Years of Good Prayers" も "No One Belongs Here More Than You" もじつは未読。いつか読もうと思っているうちに邦訳が出てしまい、興味がうせてしまった。いけませんね。そのうち catch up しなくては。
 今回、本書を手に取ったのは、今年の下半期はまだ1冊も短編集を読んだことがないのに気づいたからで、そういえばフランク・オコナー賞がそろそろ発表されるはず、と検索したところ、今年は Edona O'Brien の "Saints and Sinners" が受賞したとの由。ところが、どういうわけかペイパーバック版は海外経由でしか入手しにくいとわかり、いちおう注文したものの、同書が手元に届くまで何か読んでおきたい。そこで、去年の受賞作は何だろうと思ったら、なんと Ron Rash が取っているではないか。
 Ron Rash はその昔、けっこう好きな作家だった。処女作 "One Foot in Eden" は、彼がまだあまり有名ではなかったころの作品で、田舎育ちのぼくは一時期、ローカル・ピースに凝っていたことがあり、田舎の川らしい魅力的な風景の表紙に惹かれて買い求め、いたく感激。レビューらしきものも書いた。
 第2作の "Saints at the River" は積ん読のままだが、アレックス賞を取った第3作の "The World Made Straight" は読んだ。これもなかなかいい作品だった記憶はあるが、自分の書いたレビューを読みかえしても、ううむ、そうだっけ、という程度。"Serena" がベストセラーになったことは知っているが、これはパス。たぶん、ほかにもっと読みたい本があったからだと思う。
 というわけで、旧友にでも会ったような気分で本書に取りかかったのだが…。結論から言って、ちょっと期待はずれでしたね。…いかん、今日はイントロだけでお茶を濁してしまった。