ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

“Bel Canto” 雑感 (1)

 いつだったかも引用したが、2010年8月20日付のガーディアン紙によると、このほど Women's Prize for Fiction と改称された旧オレンジ賞について、A. S. Byatt がこう述べている。"The Orange Prize is a sexist prize. The Orange Prize assumes there is a feminine subject matter―which I don't believe in. It's honourable to believe that―there are fine critics and writers who do―but I don't."
 この記事以前にぼくも、オレンジ賞に対抗して、男性作家のみ対象とするバナナ賞でも設けたらどうだ、と皮肉ったことがあり、Byatt の意見にまったく賛成である。
 ……などとエラソーなことを書いたが、ぼくがオレンジ賞のことを知ったのは2007年、Chimamanda Ngozi Adichie の "Half of a Yellow Sun" [☆☆☆☆★] を読んだときだから、読書歴としてはたいしたことがない。以後、受賞作はずっとカバーしているものの、最終候補作となると、ぜんぶ読んだのは去年だけで、あとは毎年2作くらい。
 それが2006年以前の作品となると、カバー率はさらに激減。候補作を候補作とも知らず、あとから数えるほどしか読んだことがない。受賞作は皆無だ。
 と、まことにお恥ずかしいかぎりなので、〈旧作探訪シリーズ〉第3弾として2002年の受賞作、Ann Patchett の "Bel Canto" に取り組むことにした。おととし、最新作の "State of Wonder" [☆☆☆☆] を読んで以来、昔から積ん読中の本書がずっと気になっていた。
 さて、ぼくはタイトルから察して、これが音楽関係の本だとばかり思いこんでいたのだが、なんと人質事件の話だったんですな。……と書いたところで、まったく中途半端だが、急に睡魔が襲ってきた。どうせまだ、ろくに進んでいない。きょうはこのへんで。