積ん読の山の中で、この本は前から気になっていた。前回アップしたのは Penguin 版だが、実際に読んだのは Vintage 版。あるとき、アマゾンUSでいろんな作品を検索するたびに、どういうわけかこの Vintage 版の表紙が目につくようになった。
なかなかのコワモテである。むずかしそうなので放っておいたが、このほどやっと〈ジャケ買いシリーズ〉の一環で着手。よく見ると、Finalist / National Book Critics Award for Fiction とのこと。知りませんでした。〈恥ずかしながら未読シリーズ〉でもあったのですね。
Dave Eggers という名前にもなんとなく記憶があった。そのはずだ。忘れていたが、2012年の全米図書賞最終候補作、"Hologram for the King" のレビューを書いているではないか。以下に再録した拙文を読んでいるうちに、どんな話か思い出した。かなり面白かった。映画化もされていたのですね。
A Hologram for the King (Pb a Om)
- 作者: Dave Eggers
- 出版社/メーカー: Penguin
- 発売日: 2016/05/05
- メディア: ペーパーバック
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"What Is the What" に話を戻そう。知らなかったが、これは2006年の全米批評家協会賞の最終候補作(最初、2007年と勘違いしていました)。この年の受賞作は、忘れていたが、ブッカー賞とのダブル受賞に輝いた Kiran Desai の "The Inheritance of Loss"(☆☆☆☆★)。既読のほかの候補作は、オレンジ賞(現ベイリーズ賞)受賞作、Chimamanda Ngozi Adichie の "Half of a Yellow Sun"(☆☆☆☆★)。ピューリッツァー賞受賞作、Cormac McCarthy の "The Road"(☆☆☆★★)。いやはや、錚々たる顔ぶれである。未読の候補作は Richard Ford の "The Lay of the Land" だけ。この年はぼくも頑張ってたんですな。
さて、この "What Is the What" も☆☆☆☆★。大豊作の年とあって、批評家協会賞の選考委員諸氏は、さぞうれしい悲鳴を上げたことでしょうね。ぼくがいま選ぶとしても悩んでしまう。当時は Kiran Desai で順当だと思ったような記憶もあるが、いまなら僅差で Adichie かな。ついで Eggers か Desai か。
"What Is the What" についてはもっと書きたいが、きょうはこのへんで。