ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

2冊の雑感 (2)

 あわよくば一石二鳥と思ったが、案の定、二兎を追う者は一兔をも得ず。2冊ともさっぱり進まない。
 理由はもっぱら、相変わらず超多忙だからだが、最近、次々にショッキングな事件が起こり、心がどうも落ち着かないせいでもある。大学時代の友人に事件のひとつをメールで報告したところ、「人生って本当に大変だな、というのが偽らざる実感」との返信を頂戴した。まったく同感だ。
 たぶん、それと似たような感想をもっているのが、通勤途中に読んでいる A. M. Homes の "May We Be Forgiven" の主人公 Harry ではないかと思う。どこまでネタを割っていいのかわからないので詳細は省くが、ぼくはこの Harry の物語にすっかり身につまされている。'Look at me. Look what has happened. Look what I have done. Take notice. At the moment I am not even talking to you, I am talking to myself. Look at me, homeless in a public park. I curl into a ball, a fucking human ball in the far corner of the park. I can't look at myself―there is nothing to see.' (p.103)
 ずいぶん暗い話だが、一方、ドタバタ喜劇もあって救われる。Women's Prize for Fiction の発表が近づいてきたが、まだ途中ながら、ぼくは本書が大本命だと思っている。
 あと1冊、Khaled Hosseini の "And the Mountains Echoed" のほうだが、これは家に帰ってから読むことにしている。けれども、まだ佳境に入っていないせいか、読みはじめるとすぐに眠くなる。まったく意外だ。