ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

"All That Man Is" 雑感

 先週の日曜日に David Szalay の "All That Man Is" を読みはじめたのだが、月曜日に J. M. Coetzee の "The Schooldays of Jesus" を落手。そこで一に Coetzee、二に Szalay という時間配分で読みつづけた。あ、こう書くと何も仕事をしていないように聞こえますな。とんでもない、宮仕えの男はつらいよ。もちろん仕事最優先です!
 さて、Coetzee のほうは昨日で一段落ついた。忘れていたが、彼の作品がブッカー賞の候補作に選ばれたのは、2009年の "Summertime" [☆☆☆★] 以来のようだ。同書と2013年の "The Childhood of Jesus" [☆☆☆★★] 、それから今回の "Schooldays" [☆☆☆★★] の3作をふりかえると、ぼくにはどうも相性がわるい作家かもしれない。"Disgrace" や "Life & Times of Michael K." はというと、まだレビューらしきものを書きはじめる前に読んだきり。再読のチャンスがあればいいのだけれど。
 ……などと駄文を書きつらねているわけは、先ほど読み終えた "All That Man Is" のレビューを書く時間がないからだ。ほんとうは読後の昂奮がさめやらぬうちに書きたかったのだが、仕事のことを考えるとタイムアウト。もう風呂に入って寝ないといけない。
 が、一点だけメモっておこう。これは形式的には短編集である。それがどうしてブッカー賞の候補作に選ばれたのか。今まで長編小説が対象だったはずなのに、いつのまにか選考基準が変更されたのかな。という疑問を持ったあちらのファンも多いようだ。
 基準変更については確認していない。面倒くさいということもあるが、この短編集はどんな観点から見れば長編と言えるのだろう、と考えるのが面白いからでもある。その答えは次回に。
(写真は、宇和島市神田(じんでん)川にかかる明倫橋。この橋を過ぎると海が近い)。