ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

"Chateau of Secrets" 雑感(4)

 ぼくにとっての連休2日目。とはいえ、きのうもきょうも昼過ぎまで〈自宅残業〉。
 さすがにストレスがたまり、昼寝のあと、佐藤俊介盤「24のカプリース」を聴きながら表題作を読んだ。相変わらず、おもしろい!
 前々回、本書がよく出来た文芸エンタメである理由としてまず、副筋もふくめたストーリーの巧みさを挙げた。さらに詳しく述べると、カット割りがうまい。
 サスペンスが高まったり、謎が深まったりしたところでカット。ついで現代から過去へ、あるいはその逆に時代が飛び、そこでもまたサスペンスとミステリ。
 なぜそうなるかと言うと、物語はまだ前半で、新しい登場人物が次々に登場し、彼ら彼女たちが常に新しい問題を提出するからだ。それをどう解決するんだろう、どんな展開になるんだろう、と思っているうちに小さな事件が起こる。そこでつぎの章。
 きりのいいところまで読んでから散歩に出かけた。バーベキューをやっているお宅を発見。いいなあ、連休らしくて。
 帰宅後、夕食をとりながら野村芳太郎監督作品「ゼロの焦点」を初めて見た。この3月だったかリメイク版を録画で見て以来、旧版のほうがずっと気になっていた。
 やはり昔のほうがいい。文字どおり、役者がちがう。配役でリメイク版のほうがしっくりくるなと思ったのは、鵜原憲一役の西島秀俊くらい。南原宏治は妻の久我美子上野駅で別れるとき、元気がよすぎる。西島のほうが陰があっていい。
 と、これは五嶋みどり盤「24のカプリース」を聴きながら書いていた。佐藤盤との優劣はわからない。まだ左肩が痛む。きょうはこのへんで。
(写真は、宇和島市神田川原(じんでんがわら)の元長屋付近。右側の元大家さん宅はいまでは更地になっている)