ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

09年ブッカー賞ロングリスト(Man Booker 2009 longlist)

 今年のブッカー賞のロングリストが発表された。http://www.themanbookerprize.com/prize/thisyear/longlist
 ここ何年かは新人賞のおもむきもあった同賞だが、今年の顔ぶれを見ると、既読の作家だけ拾ってみても、A.S.Byatt, J.M.Coetzee, Colm Toibin, Willam Trevor, Sarah Waters とビッグネームが並んでいる。今までは有名作家の作品というだけでオッズが低くなったようだが、今年はブックメーカーも大変だろうな。
 不勉強のぼくはもちろんどの候補作も未読だが、Toibin の "Brooklyn" だけはアマゾンUKのベストセラーリストで見かけたことがある。今調べると、現時点で216位、星4つという評価。これが1番人気になるかもしれない。

Brooklyn

Brooklyn

 貧乏金なしのぼくはハードカバーには手が出ないので、現時点で入手できるペイパーバック版をアマゾンでざっと検索したところ、Ed O'Loughlin の "Not Untrue & Not Unkind" がなんとペンギン版で入手可能。今は在庫なしとのことだが、さっそく注文しておいた。
Not Untrue And Not Unkind

Not Untrue And Not Unkind

 "Brooklyn" のほかに Samantha Harvey の "The Wilderness", James Scudamore の "Heliopolis" もすでにペイパーバック化されているが、3つともぼくの嫌いなデカサイズのようなので、ショートリストに残っていたら買うことにしよう。
The Wilderness

The Wilderness

Heliopolis

Heliopolis

 それから、Sarah Hall の "How to Paint a Dead Man" のペイパーバック版が9月1日発売予定とのこと。04年に "The Electric Michelangelo"(未読)で涙を飲んでいる若手作家の2作目だ。
How to Paint a Dead Man: A Novel (P.S.)

How to Paint a Dead Man: A Novel (P.S.)


 ミーハー趣味でカバー絵をながめると、ビッグネームの作家のものはいずれも過去の作品と同じようなスタイルだ。リスト全体でぼくのお気に入りは "Not Untrue & Not Unkind" と "Brooklyn"。さらにミーハー趣味を丸出しにすると、タイトルは William Trevor の "Love and Summer" が平凡だがゴヒイキ。中年を過ぎた孤独な人間を描くことの多い Trevor だが、これはどうなんだろう。あ、これもペイパーバック版で入手できそうだ。
Love and Summer

Love and Summer

 以上、内容も調べずに勝手な感想ばかり述べてみた。さらに言うと、今度も Waters は面白いんだろうな(現時点でアマゾンUK51位、星4つ)。Byatt も評判がいいようだ(同79位、星4つ半)。ともあれ、ブッカー賞はぼくにとって最大のお祭りみたいなものだから、Coetzee の史上初3回目の受賞が実現するかどうか、Toibin の3度目の正直となるかなど、遊び半分で賞の行方を見守ることにしたい。
The Little Stranger

The Little Stranger

The Children's Book

The Children's Book

Summertime

Summertime