今日も少しだけ "Super Sad True Love Story" を読み進んだが、べつに新たな感想を付け加えるほどではないし、だんだんネタばらしになりつつあるので小休止。代わりに Beryl Bainbridge のことを書こう。
まことにお恥ずかしい次第だが、最近になってようやく彼女の訃報を知った。イギリスのサイトを覗いてみると、このところ、なぜか旧作のペイパーバックがフィクションのトップページに並んでいる。最初は気にもとめなかったが、やがて不思議に思って調べてみると、なんと昨年7月に他界。享年77歳とのこと。それがどうして今ごろ旧作「特集」となったのかはわからないが、何はともあれ、彼女の死と関係があることは間違いないだろう。
ぼくは彼女の作品は、以下に昔のレビューを再録した "An Awfully Big Adventure" しか読んだことがない。あとは未読の "A Quiet Life" を持っているだけで、決してファンとは言えない。それでも彼女のことを憶えていたのは、彼女が「ブッカー賞最終候補作の悲運の女王」だからだ。過去、最多回数である5回もショートリストにノミネートされながら、ついに一度も受賞しないまま物故してしまった。
あわてて未読の候補作をぜんぶ注文したところだが、何年か前に読んだ "An Awfully...." をふりかえると、とにかく「渋いがうまい作家」という印象がよみがえってくる。最近のブッカー賞候補作を読んでいると、そういう作家がだんだん減ってきているのではという気がするだけに、彼女の訃報にちょっと寂しい思いをした。大変遅くなってしまったが、以下に候補作を5冊とも掲げ、東洋の島国から冥福を祈りたい。
"An Awfully Big Adventure" (90)
- 作者: Beryl Bainbridge
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"The Dressmaker" (73)
The Dressmaker: Shortlisted for the Booker Prize, 1973
- 作者: Beryl Bainbridge
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"The Bottle Factory Outing" (74)
The Bottle Factory Outing: Shortlisted for the Booker Prize, 1974
- 作者: Beryl Bainbridge
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"Every Man for Himself" (96)
Every Man For Himself: Shortlisted for the Booker Prize, 1996
- 作者: Beryl Bainbridge
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"Master Georgie" (98)
Master Georgie: Shortlisted for the Booker Prize, 1998
- 作者: Beryl Bainbridge
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