ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

“Me Before You” 雑感

 イギリスの最新ベストセラー、Jojo Moyes の "Me Before You" をボチボチ読んでいる。アマゾンUKでもっか、レビュー数403で星5つ。ものすごい評判だが、それもさることながら、タイトルとカバー絵から判断して文芸エンタメ路線だろうと思い入手した。たまには息抜きしませんとね。(え、いつも息抜きばかりでしょ、とかみさんに皮肉られそうだ)。
 けっこう分厚い本で、まだ半分足らずしか読んでいないが、今回の「見てくれ買い」、たぶん当たりでしょう。毎度アマノジャクのぼくは、上の評判ほどすごいとは思わないけれど、それでも徐々にハマリつつある。ちょっと興ざめなのは、最初の数章からしてその後の展開と結末がだいたい読める点だが、わかっちゃいるけどおもしろい、とも言える。これからどんどん盛り上がるはずだ。
 プロローグがあり、イケメンの Will がロンドンで交通事故にあう。本編は2年後で、舞台は田舎の観光町。容姿は十人並みだが陽気な娘 Louisa が主人公で、勤め先のカフェが店を閉じて失職するものの、父親はリストラ確実で、母親は祖父の介護に追われ、妹は未婚の母で幼い子供をかかえている。そこで Louisa は一家を支えるべく職探しの毎日。やがて、ヘルパーの経験もないのに陽気な性格を買われ、今や手足が不自由な Will の世話をすることになるが、彼は恋人にも見捨てられ、固く心を閉ざしている。
 …と書いただけで、もうあとの粗筋は読めるでしょう。まさに文芸エンタメ路線だが、こういうヒーリング系の小説が爆発的な人気を博するのは日本でも同じかもしれない。いち早く版権を取得している出版社もありそうだ。ともあれ、なるべく予想外の顛末になることを期待しつつ、大いに楽しむことにしよう。