仕事の進みぐあいにもよるが、明日にはなんとかレビューが書けそうなところまで読み進んだ。フーフー。残暑厳しいなか、エアコンのないわが家で首筋に保冷パックを当てながら分厚い本を読んでいると、何やら自虐的な快感さえ覚える。洋書オタクの面目躍如である。
……などと自己マンにひたっているのは、当初、「そんなに時間をかけるべき作品なのかな」と疑問に思っていた本書の魅力にようやく開眼したからだ。いや錯覚かもしれないぞ、という一抹の不安はあるものの、いざわかったような気分になってみると、うむ、これはかなりの秀作かもしれません。
「開眼」のきっかけは、おとといの晩、久しぶりに『博士の異常な愛情』を観てケラケラ笑いころげ、あのブラック・ユーモアを堪能したことにある。陳腐な感想だが、戦争の狂気からケッサクなファースを作り上げたキューブリックはまさに鬼才と言うしかない。ピーター・セラーズをはじめ、ジョージ・C・スコット、スターリング・ヘイドンなど、どの役者もキャラが濃く、しかもそのキャラがみごとにテーマと一致している。
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