ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

Max Porter の “Lanny”(2)

 もっか、4月にテンプで復職して以来、いちばんの繁忙期。なので、今回はメモ書きふうに。
 きょう久しぶりに過去記事をチェック。ちょうど1週間前にアップした『ひらいた窓』の拙訳をさらに修正。いちばんのポイントは姪のせりふ。少しは「それらしく」なってきたと思うが、自己マンの域を出ず。
 ロンドン時間7月23日、今年のブッカー賞ロングリスト発表。いま現地ファンの声を拾ってみると、1番人気はなんと表題作(☆☆★★★)。 

「豊かな詩的想像力の浪費に終わった凡作」というぼくの評価は的はずれだったようだ。レビューでふれた「ファンタジーのような世界を描いたマジックリアリズム」、「文明社会と対比させた人間と自然の一体化、偏見や固定観念を超えた純粋な心のふれあい」などが、あちらでは高く買われているのかもしれない。
 レビューは全体の流れのほか、次のくだりを参考にしたもの。She is caught between what's real and what's not, ....(p.195).... she is peering from a fold in time.(p.197)ともあれ、ぼくには退屈きわまりない本だった。
 通勤途中に読んでいるのは、今年のブッカー国際賞受賞作、Jokha Alharthi の "Celestial Bodies"(英訳2018)。原作はアラビア語で2010年刊。周回遅れだが、いまのところ、なかなかおもしろい。最近出会った本のなかではピカイチかもしれない。
(写真は、愛媛県宇和島城。おととしの8月に撮影。いまごろ夕方はいつも、こんな勇姿だろう)

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