出張から帰ってきたが、疲れていて本が読めない。出発前に "Dirt Music" でお茶を濁したので、オーストラリアつながりで "The Secret River" の昔のレビューを載せておこう。
![The Secret River The Secret River](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41ARQ5y53RL._SL160_.jpg)
- 作者: Kate Grenville
- 出版社/メーカー: Canongate Books Ltd
- 発売日: 2006/09/07
- メディア: ペーパーバック
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…一昨年のブッカー賞の発表前、あわよくばと当てこんで取りかかったが、読んでいる途中からこれは受賞しそうにないな、と思ったのを今でも憶えている。その後、某社の編集者からも、日本では厳しいでしょうという話を聞いた。アボリジニの虐殺でクライマックスを迎える後半の盛りあがりは迫力満点だし、力作であることは間違いないのだが、オーストラリアの歴史そのものが日本の読者には馴染みが薄い点で損をしている。
それより何より、この本はクライマックス後の結末が弱い。細部はもう忘れてしまったが、せっかく人間の本質にふれる問題を提起しておきながら、提起だけで終わってしまい、えらく図式的な処理だなと思った記憶がある。本当は該当箇所を読み直して確認すべきなのだが、上の事情で疲労のため、今日はこれくらいにしておこう。