ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

“Parrot and Olivier in America”雑感 (2)

 先ほど田舎から帰ってきた。当初は帰省中に本書を読みおえようと意気ごんでいたのに、友人と飲んだり市内をチャリで回ったりしているうちに戦意喪失。帰りのバスと飛行機の中でふたたび取りかかった。
 今日は Parrot と Olivier の二人が船でニューヨークに到着したところまで読み進んだが、タイトルと分量からして明らかに本番はこれから。まだイントロの段階で評価を口にするのも気が引けるが、これは正直言って面白くない。
 いや、正確に言うと面白いことは面白いのだが、こんな歴史小説、今まで何冊も読んだことがあるような気がするのだ。19世紀初期、政変目まぐるしい動乱のフランスを逃れてアメリカへ、という今までの筋立てからして、ああ、またあの時代か、と一瞬思ってしまう。あまりにも有名な歴史の舞台だけに、よほどの新味がないと二番煎じの感はどうしても否めない。
 で、今のところ、何か「よほどの新味」はないものかと探しながら読んでいるのだが、手馴れた熟練の業こそ認められるものの、斬新な切り口はどうも見当たらない。二人の主人公が交代で登場し、紆余曲折の末、やがて同じひとつの流れに物語が収斂する…よくあるパターンだ。
 もちろん、いろんな副筋もあってそれなりに楽しいのだが、決して「新味」とまでは言えないのが玉に瑕。とはいえ、これからいよいよ本番だ。期待しましょう。