本書の主人公、メアリー・アニングのことは今までまったく知らなかったのだが、ネットを検索したところ、日本でも簡単に手に入る関連本が2冊もあることがわかった。
メアリー・アニングの冒険 恐竜学をひらいた女化石屋 (朝日選書)
- 作者: 吉川惣司,矢島道子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2003/11/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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化石をみつけた少女―メアリー・アニング物語 (評論社の児童図書館・絵本の部屋)
- 作者: キャサリン・ブライトン,せなあいこ
- 出版社/メーカー: 評論社
- 発売日: 2001/01/01
- メディア: 大型本
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そういう興味はべつにしても、本書には「(メアリーとエリザベスの)化石への情熱と2人の友情が静かに脈打っているうちに突如、熱くほとばしる瞬間がいくつかあり、定石ながらロマンスが火花を散らす場面もふくめて思わず引きこまれる」。それがいちばんの美点だが、先日も書いたように、ぼくはちょうど本書を読んでいるとき久しぶりに旧友と会った。
その席でかわしたのは、他愛もないおしゃべりばかりだ。家庭、仕事、老後の見通し…。中でも焦点は、「これから何をして生きていくのか」だったが、そう訊かれたぼくは、はたと困ってしまった。はて、前から積ん読の本が山ほどあるのに、こんな予定にない本をたまたま見つけ、つい読んでしまっていい気分になる。そんな偶然の連続でこれからの人生も過ぎていくのだろうか。
何だか脈絡のない話をしているようだが、じつはそうでもない。友人、人生、偶然。これは本書のキーワードでもあり、それを1つにまとめたのが「化石」だと思うからである。