ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

William Trevor の “The Story of Lucy Gault” (1)

2002年のブッカー賞最終候補作、William Trevor の "The Story of Lucy Gault" を読了。さっそくレビューを書いておこう。The Story of Lucy Gault作者:Trevor, WilliamPenguinAmazon[☆☆☆] 1921年、アイルランドの海を望む屋敷で暮らす八歳の少女ルーシー。…

“The Story of Lucy Gault” 雑感

いよいよブッカー賞の季節が近づいてきた。今年のロングリスト発表は7月23日とのこと。どんな作品がノミネートされそうか、あちらのファンのあいだでは、さぞ情報が飛びかっていることだろう。 ぼくも過去、何回か予想してみたことがあるが、なにしろ読書量…

Khaled Hosseini の “And the Mountains Echoed” (4)

前作 "A Thousand Splendid Suns" とくらべると、「小さくまとまってしまった」本書だが、それでも「連作短編集に近い」作品としての味わいはある。いくつか印象にのこっているエピソードの中で、ぼくのイチオシは、「ファミリー・サーガからすれば傍流にあ…

Khaled Hosseini の “And the Mountains Echoed” (3)

「待ちに待った Hosseini の新作にしてはそれほどでもない」。「もっともっと楽しませてくれてもよかったのに!」 ……とぼくが思った理由は、おとといのレビューにまとめたつもりである。それが「当初、読みはじめるとすぐに眠くな」った理由でもあり、簡単に…

Khaled Hosseini の “And the Mountains Echoed” (2)

腰の痛みはいくぶん和らいできた。しかし毎度、宮仕えの男はつらいよ、というやつで、無理をしないようにと思いつつ無理をしながら仕事をしている。早く楽隠居したいものだ。 閑話休題。雑感にも書いたとおり、この "And the Mountains Echoed" は先月末にい…

Khaled Hosseini の “And the Mountains Echoed” (1)

当初の予定より大幅に遅れてしまったが、ゆうべ、Khaled Hosseini の新作 "And the Mountains Echoed" をなんとか読了。さっそくレビューを書いておこう。And the Mountains Echoed作者:Hosseini, KhaledBloomsbury Publishing PLCAmazonAnd the Mountains E…

“And the Mountains Echoed” 雑感 (2)

相変わらず腰痛に悩まされている。歩行は可能だし、椅子に座ってパソコンを打つこともできるのだが、腰を下ろしたり立ち上がったりするのがひと苦労。同様に、寝起きもままならない。 試行錯誤の末、ロッキングチェアがいちばん楽なことに気がついた。ゆっく…

A. M. Homes の “May We Be Forgiven” (2)

いやはや、こんな絶不調は生まれて初めて、というほどの絶不調。このところ腰痛がひどく、きょうはついに欠勤してしまった。どうやら背骨の下部の関節が炎症を起こしているらしい。痛みがずっと続くようならヘルニアやガンの疑いもあるので、MRIを撮って調べ…

A. M. Homes の “May We Be Forgiven” (1)

諸般の事情で大幅に遅れてしまったが、オレンジ賞改め、Women's Prize for Fiction の受賞作、A. M. Homes の "May We Be Forgiven" を昨日、ようやく読了した。さっそくレビューを書いておこう。May We Be Forgiven作者:Homes, A.M.Granta BooksAmazon[☆☆☆★…

2013年国際ダブリン文学賞発表 (2013 IMPAC Dublin Literary Award)

いさかか旧聞に属するが、今年の国際ダブリン文学賞は、アイルランドの新人作家 Kevin Barry の長編デビュー作、“City of Bohane” に決定した。おととし書いたレビューを再録しておこう。City of Bohane作者: Kevin Barry出版社/メーカー: Jonathan Cape発売…

2013年女性小説賞発表 (2013 Women's Prize for Fiction)

女性小説賞なのか女流文学賞なのか、とにかくオレンジ賞改め、Women's Prize for Fiction の第1回受賞作は A. M. Homes の "May We Be Forgiven" に決定した。 ぼくは諸般の事情で、ようやく中盤に差しかかったところだが、おとといの日記にも書いたとおり…

2冊の雑感 (2)

あわよくば一石二鳥と思ったが、案の定、二兎を追う者は一兔をも得ず。2冊ともさっぱり進まない。 理由はもっぱら、相変わらず超多忙だからだが、最近、次々にショッキングな事件が起こり、心がどうも落ち着かないせいでもある。大学時代の友人に事件のひと…