今日から本腰をいれて Isabel Wolff の "A Vintage Affair" に取りかかった。これは去る2月、たまたま米アマゾンの Book Club の推薦図書をながめていたら、例によって印象的なカバーが目にとまり、内容もたしかめずにさっそく買い求めたものだ。2009年の作品なので、もしかしたら邦訳が出ているかもしれない。同 Book Club の情報を利用したのは今回が初めてだが、既読のほかの本は有名な作品ばかりだったような憶えがある。きっとこの "A Vintage Affair" も、刊行当初から評判になっていたことだろう。遅れてますねえ、と笑われそうだ。
これ、プロローグはべつとして、なにしろ固有名詞がたくさん出てくることに最初は目を白黒。先週読んだ Audur Ava Olafsdottir の "The Greenhouse" とは正反対だ(「真逆」という表現にはいささか抵抗あり)。固有名詞が多い理由は、主人公の女性が年代物の高級衣料品専門のリサイクル・ショップを経営しているからで、イヴ・サンローランやシャネル、グッチなどブランド名のオンパレードだ。ぼくはブランド志向ゼロ、物欲ゼロの人間なのであまりピンとこないが、そういう商品に関心のある人、とくに女性なら、ここで次々に披露されるドレスやコートのたぐいに目が爛々と輝くかもしれませんな。その意味では本書は女性向きでしょう。
ただ、門外漢のぼくでも、そういう世界の楽しさは何となく想像できる。それが本書の楽しさのひとつであることは間違いない。が、それ以上にこれはたぶん、「元気が出る小説」ではないかな、と思わせるところがあって、男の読者でも十分楽しめるものという気がする。いや事実、クイクイ読んでます。上の Book Club、なかなかお目が高いようですな。…粗筋を書こうと思ったが、今日はもう疲労困憊気味なのでこれにて。