ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

"The Death of Bees" 雑感 (1)

 松山空港で苦心惨憺、ようやく free wi-fi に接続できた。勤務先で貸与されたクロム・ブックを使っているのだが、何ごとも先達はあらまほしきものなり。イマ三くらい使用法がわからない。
 今回の帰省旅行でも途中、松山に寄り、往きは〈踊るうどん永木〉、帰りは〈こはる〉と、それぞれ当地のうどんの名店を訪れた。〈こはる〉のほうは初めて。かしわ天うどんがとてもおいしかった。〈永木〉は醤油うどんがオススメ。
 閑話休題。Lisa O'Donnell の "The Death of Bees" を読んでいる。2013年の英連邦作品賞(Commonwealth Book Prize)と、2014年のアレックス賞の受賞作である。
 本ブログの休止中、どんな作品が出たのだろうと調べているうちに驚いた。あれれ、英連邦作家賞(Commonwealth Writers Prize)改め、英連邦作品賞が打ち切られているではないか。本書が最後の受賞作になってしまった。
 これもグローバル化の流れだろうか。ブッカー賞の選考基準が変更され、アメリカの作品も対象にふくまれるようになったことと合わせ、文学の世界で地域性が影をひそめつつあるのは必ずしも喜ばしい風潮ではない。文学は伝統文化のひとつとも言えるからだ。
 さて、本書の主人公はアレックス賞受賞作らしく、15才の少女 Marnie と12才の妹 Nelly。それに隣りの老人 Lennie が加わり、三者三様、視点が順に代わりながら物語が進行する。
 姉妹の両親は不在。この不在が意味深で、ネタを割ってもいいものかどうか。Lennie はゲイで、少年相手に問題を起こしたことがあり、街の鼻つまみ者になっている。
 ブラックユーモアにあふれ、活発な文体がなかなか楽しい。……いかん、飛行機の出発時刻が迫ってきた。中途半端だが、今日はこれでおしまい。
(写真は、きょう帰宅後にアップした愛媛県松山市の〈踊るうどん永木〉と〈こはる〉)