ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

Sarah Bernstein の “Study for Obedience”(3)

 きょうもジムで2+8キロ走。やっぱりバテた。でも今月はもう十何年ぶりになるのかスキーに行く予定なので、少しは足腰を鍛えておかないと。ウソかほんとか、ぼくのような高齢者でも、鍛錬しだいで筋力はアップするんだそうだ。
 だけど知力のほうは明らかに伸びしろゼロ。それどころかもちろん衰える一方で、ブッカー賞の発表日を勘ちがいするとは、われながら呆れるほどマヌケな話だ。今年はなぜか例年より遅く12月初旬だとばかり思いこんでいた。
 そこで今回は、これ以上のボケ防止も兼ねて英語の基礎復習。表題作のタイトルを見たとき、ぼくはなぜ Study of ではなく、Study for なのかと思ったものだ。
 とりあえずいま、『ルミナス英和辞典』(第2版)で関連がありそうな意味と用例を調べてみると、「研究;調査;観察(in, into)」、「検討:the~of physics物理学の研究」、「研究論文[書]:a~on [of] inflation インフレについての研究論文」、「習作;試作;スケッチ:a~of apples リンゴのスケッチ」
 つぎに『ジーニアス英和大辞典』(初版)で目についたのは、「研究, 学業 〔in, on, of, into〕 the~of literature 文学の研究 / a~ of traffic problems 交通問題の調査」
 最後に『新編 英和活用大辞典』(初版)では、「a study for a bust [for the Moonlight Sonata] 胸像 [「月光ソナタ」]の習作 / studies in humanism 人文主義の研究|a study of Kant カントの一考察 | a study of yoga ヨガの研究 | short studies on great subjects 大問題に関する小研究」
 ほかにも辞書はたくさんあるが、たぶんどれも似たり寄ったりだろう。こんな study を怠ったまま直感的におぼえた上の疑問を具体的に説明すると、もし Study のうしろの前置詞が of なら obedience は研究対象ということになる。しかしそれが for である以上、この obedience は研究目標というか研究の理由みたいなものだろうか。つまり、本書は obedience についてあれこれ考えたり論じたりするのではなく、obedience を目指して、あるいは、obedience を求めて、といった感じであれこれ勉強・努力する姿を描いたものなのか。
 フタをあけてみると、実際そのとおりだった。ヒロインは無名の「幼いころからすこぶる従順なユダヤ系の若い女」。彼女は長兄の求めに応じてひたすら、というより、ますます従順に彼の世話をする。
 ここで英英辞典の登場。Longman Dictionary of English Language and Culture(Second Edition)で study を引いてみると、to spend time in learning (one or more subjects), especially as part of an educational course と定義されていた。さすが Longman!  これですよ、これ。上の若い女はもともと obedient なのに、ますます obedient たらんと悪戦苦闘する。うちの家人にも読ませたいですな。

(下は、この記事を書きながら聴いていたCD。殺伐とした時代への反動だろうか、もっかカントリーソングはいちばん心にしっくりくる)

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