トーマス・マンの "Confessions of Felix Krull, Confidence Man" を読んでいるのだが、英語は易しいのにどうも進まない。そこで今日は、昔のレビューでお茶を濁すことにした。
追記:本書は2004年に映画化されました。
- 作者: Honore de Balzac,Marion Ayton Crawford
- 出版社/メーカー: Penguin Classics
- 発売日: 1951/05/01
- メディア: ペーパーバック
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…海外文学のとりこになってから、夏になると3年前までフランス文学の古典も英語で読んでいた。最初に取り組んだのがバルザックの "Cousin Bette" で、これは本当に圧倒された。主人公は間違いなく、小説に登場する世界三大悪女の一人である。(あとの二人は選考中)。
Cousin Pons: Poor Relations, part two (The Human Comedy)
- 作者: Honore de Balzac,Herbert J. Hunt
- 出版社/メーカー: Penguin Classics
- 発売日: 1978/08/01
- メディア: ペーパーバック
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上のラインナップを見て改めて思ったのだが、Richard Pevear と Larissa Volokhonsky の夫妻が英訳した "The Idiot" の英語はじつに鮮烈だ。夫妻の労作は、ドストエフスキー、トルストイ、チェーホフ、ゴーゴリに及んでいる。ぼくはトルストイを除けばすべて入手しているので、老後が楽しみだ。
…バルザックからずいぶん脱線してしまったが、フランス文学の古典は「英語学習のテキストとしても推薦できる」ものの、Pevear と Volokhonsky の夫妻の訳業と較べると、英語はどれもいささか古風と言わざるを得ない。新鮮な英語で古典を楽しめる改訳が早く行なわれることを期待したい。