ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

全米書評家(批評家)協会賞発表(2009 National Book Critics Circle Awards)

 ニューヨークの現地時間で3月12日、今年の National Book Critics Circle Awards が発表され、フィクション部門で予想どおり、Roberto Bolano の "2666" が受賞した。

2666

2666

 この作品については、先月18日から10回に分けて雑感を書きつづけ、今月の5日にやっとレビューを発表。その後も感想を2回書いた。ひとつの作品にこれほど時間を割いたのは初めてだし、レビューも今までの最長記録を更新。そういう本が栄冠に輝いたのは本当にうれしい。
bingokid.hatenablog.com
 もっとも、本書は去年の英米の各メディアによる評価が断トツで高かったので、誰がどう見ても全米書評家(批評家)協会賞の受賞は確実だったはずだから、予想が当たったことはべつに自慢にはならない。それほどの大本命だったわけだ。残念なのは、これがロベルト・ボラーニョの遺作であることだが、ぼくは彼のほかの作品は "The Savage Detectives" しか読んだことがないので、http://d.hatena.ne.jp/sakihidemi/20080405 旧作をボチボチ読む楽しみが残っているのがせめてもの救いである。