ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

最近の全米批評家協会賞受賞作「面白度」ランキング

 あと1ヵ月足らずで発表される昨年の全米批評家(書評家)協会賞(National Book Critics Circle Awards)の候補作、Bonnie Jo Campbell の "American Salvage" に取りかかった。今日一日で片づけようと思っていたのに、寝坊してしまい、あえなく挫折。中間報告を書いてもいいのだが、遅筆のぼくは駄文でもけっこう時間がかかるので、今日はこの賞について日ごろ思っていることでお茶を濁そう。
 ぼくの勘違いかもしれないが、現在のブッカー賞と全米図書賞を統合して、英語圏全体で毎年ベスト作品を選んではどうか、という意見があることを何かの記事で読んだ憶えがある。ワールド・チャンピオンを決めるなんて、なんとなくアメリカ人的な発想のような気もするが、ぼくはいろんなベストがあっていいという立場なので、統合には反対。昔の恋人のミステリだって、今でもMWAとCWAに分かれているんじゃないかな。
 とはいえ、現行の文学賞の中で、もし仮に「ワールド・チャンピオン」的な性格を多少なりとも有するものがあるとしたら、この全米批評家協会賞かもしれない。米アマゾンをざっと検索したところ、少なくとも2003年以降、ブッカー賞と全米図書賞の受賞作が同時にこの賞にノミネートされたことはないようだが、べつの年ならどちらか一方が顔を出した例があり、周知のとおり、06年には Kiran Desai の "The Inheritance of Loss" がブッカー賞と本賞をダブル受賞。今年のラインナップにも "Wolf Hall" が入っている。全米図書賞を取った "Let the Great World Spin" の名前はないが、代わりに同賞の候補作、 "American Salvage" と Jayne Anne Philips の "Lark & Termite" が選ばれている。ブッカー、全米ともども候補作レヴェルなら過去にもよくあることだ。
 まあでも、こんなことは洋書ファンならとっくに常識だと思うので、あとは、今までこのブログでレビューを書いたことのある最近の受賞作の「格付け遊び」。(05年の "The March" は恥ずかしながら未読)。
 追記:その後、1と2の順位を入れ替え、以下の通りに決定しました。
1."2666" (08) Roberto Bolano

2666

2666

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2."The Inheritance of Loss" (06) Kiran Desai
The Inheritance of Loss

The Inheritance of Loss

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3."The Brief Wondrous Life of Oscar Wao" (07) Junot Diaz
The Brief Wondrous Life of Oscar Wao

The Brief Wondrous Life of Oscar Wao


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4."The Known World" (03) Edward P. Jones
The Known World: A Novel

The Known World: A Novel

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5."Gilead" (04) Marilynne Robinson
Gilead

Gilead

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 ただし、「面白度」ではなく文学性の高さを基準にすると、3〜5位は Jones, Robinson, Diaz の順になる。ともあれ、いずれ劣らぬ秀作ぞろい、この賞のレヴェルは本当に高いと思う。06年に涙をのんだ "Half of a Yellow Sun" なんて、ほかの年なら見事に受賞していたんじゃないかな。
番外 "Half of a Yellow Sun" Chimamanda Ngozi Adichie
Half of a Yellow Sun

Half of a Yellow Sun

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