ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

Sebastian Barry の “Days without End”(1)

Sebastian Barry の "Days without End"(2016)を読了。周知のとおり、今年の1月に発表された2016年度コスタ賞大賞受賞作である。さっそくレビューを書いておこう。Days Without End作者:Barry, SebastianFaber & FaberAmazon[☆☆☆★★★] 殺すか殺されるか。…

Kurt Palka の“The Piano Maker”(2)

今週は超多忙。もう一回だけ本書について駄文を綴らねばと思いつつ、なかなか時間が取れなかった。 べつにたいした補足ではない。これは典型的な文芸エンタテインメントである。ヒロインの Helene は純真で、窮地におちいった彼女に救いの手を差し伸べる人び…

Kurt Palka の “The Piano Maker”(1)

ゆうべ本書についてふれたあと、なんとか頑張って読みおえた。Kurt Palka はカナダではわりと人気作家のようである。中身を忘れないうちにレビューを書いておこう。The Piano Maker作者:Palka, KurtMcClelland & StewartAmazon[☆☆☆★★] 1930年代、古き佳き時…

"The Piano Maker" 雑感

まずきのうの補足から。ぼくが大嫌いなタイプの小説の例として挙げた "The Piano Teacher" は、ノーベル賞作家 Elfriede Jelinek の作品(☆☆☆★★)ではなく、Janice .... という Chi .... 系作家のもの(☆☆★★★)。 なぜ伏せ字にしたかというと、こんなマイナ…

Melanie Dobson の “Chateau of Secrets”(4)

きのうは仕事帰りに量販店に立ち寄り、「ワイルド・スピードX2」ほか数枚をまとめ買い。さっそく晩酌をやりながら見たが、たまにはこういう〈スカッと系〉映画もいいですな。 小説もおなじで、いつもシンネリムッツリの純文学ばかりだと、もともとネクラのぼ…

Melanie Dobson の “Chateau of Secrets”(3)

文学は十人十色、いろんな見方や好みがあっていい。だから前回エラソーなことを書いたのも要するに、ぼくはこんなのが好き、とテキトーに言ったにすぎない。 「文学の場合、作家の『思想やもくろみ』が高いか低いか、深いか浅いかは、その作品を評価するうえ…

Melanie Dobson の “Chateau of Secrets”(2)

これはまさしく通勤快読本。ほんとにおもしろかった! 残念なのは、諸般の事情でコマギレにしか読めなかったこと。それでもクイクイ度(クイクイ読める度合い)は抜群だったのだから、できれば一気に読みたかった。 だから点数も、久しぶりに☆☆☆★★★(約75点…

Melanie Dobson の “Chateau of Secrets”(1)

きょうも昼過ぎまで〈自宅残業〉。しかし午後はがんばって、Melanie Dobson の "Chateau of Secrets"(2014)をようやく読了。さっそくレビューを書いておこう。Chateau of Secrets作者:Dobson, MelanieCenter PointAmazon[☆☆☆★★★] ああ、おもしろかった! …

"Chateau of Secrets" 雑感(7)

連休が明けたとたん繁忙期。とてもじゃないがブログを更新するヒマがなかった。「ブログはヒマな人がやるもの」といつか言われたのを思い出す。 それでも表題作は通勤快読。読んでいるうちに眠りこけることもなく、コマギレながら楽しく読んでいる。 その理…

"Chateau of Secrets" 雑感(6)

連休最終日。きょうも昼過ぎまで、中島みゆきのアルバムを流しながら〈自宅残業〉。 異変が起きたのはそのあとだ。なんとガラケーを洗濯機に水没させてしまったことが判明。やむなく最寄り駅近くの携帯ショップに持ち込んだところ、めでたくスマホ・デビュー…

"Chateau of Secrets" 雑感(5)

ぼくの連休4日目。代わりばえのしない毎日だ。昼過ぎまで、中島みゆきのアルバムを次々に流しながら〈自宅残業〉。「問題集」に収められている「病院童」はケッサクですな。 昼食後、シュタイアー盤「ディアベッリ変奏曲」を聴きながら表題作を読んだ。大き…

"Chateau of Secrets" 雑感(4)

ぼくにとっての連休2日目。とはいえ、きのうもきょうも昼過ぎまで〈自宅残業〉。 さすがにストレスがたまり、昼寝のあと、佐藤俊介盤「24のカプリース」を聴きながら表題作を読んだ。相変わらず、おもしろい! 前々回、本書がよく出来た文芸エンタメである…

ぼくの友だち

きょうは早退して通院。一週間前に転んで打撲した左肩を診てもらったところ、三角巾は外していいものの、完治するまでざっと一ヵ月とのこと。やんぬるかな。 転倒したのは散歩中だから、というわけでもないが、帰宅後、Henning Schmiedt の "Spazieren" を初…