2010-01-01から1年間の記事一覧
今日は久しぶりに落語を聞きに行った。演目は立川談幸の「ねずみ」と柳亭燕路の「火焔太鼓」。どちらもなかなか面白かった。家に帰ってネットを検索したところ、今年のギラー賞が発表されているのを発見。Johanna Skibsrud の "The Sentimentalists" という…
やっと2回目の雑感を書いてもいいほど読み進んだ。これは期待どおり、とても面白い! つい先月まで夏以降、ブッカー賞の候補作ばかり読んでいたが、それはほとんどもうペイパーバックで読めるという単純な理由があったからで、ぼくはべつにいつも高踏派、ゲ…
残念ながら挫折した "I Hotel" の代わりに、今日から Katherine Webb の "The Legacy" に取りかかった。これはもう6月ごろからずっと読みたかった本で、そのころはアマゾンUKのフィクション部門ベストセラー・リストに名を連ねていたが、今調べると載ってい…
今週は今年の全米図書賞候補作のひとつ、Karen Tei Yamashita の "I Hotel" をボチボチ読みつづけ、今日も午後から取り組んでいたのだが、今話題の尖閣諸島の話が出てきたあたりで、最初から萎え気味だった読書意欲がさらに減退。一向に乗れないのでもうあき…
ぼくはべつにポール・オースターの熱心なファンというわけでもないが、アマゾンUKの新刊ニュースで彼の新作が出ることを知り、ふだんはペイパーバック・リーダーのくせに食指が動き、日本のアマゾンに予約注文していたら、どういうわけか正式な発売日以前に…
昨日、家に帰ってから Paul Auster の新作 "Sunset Park" を読みおえたのだが、レビューを書く時間は取れなかった。何とか思い出しながら書いてみよう。Sunset Park作者: Paul Auster出版社/メーカー: Henry Holt & Co発売日: 2010/11/09メディア: ハードカ…
今日も朝のうちは仕事に励み、午後から本書に取り組んだ。快調また快調、クイクイ読める。Auster の本はいつもそうだが(と言えるほど旧作を読んでいるわけでもないが)クイクイ度抜群である。「去年の "Invisible" のほうがもっと面白かった」という昨日の…
まず Nicole Krauss の "Great House" について付言しておこう。ここに出てくるユダヤ人はその心の葛藤を通じてほんとうに生きた人物として描かれている。その点、今年のブッカー賞を取った Howard Jacobson の "The Finkler Question" とは大違いで、ぼくは…
またまた大幅に予定より遅れてしまったが、今年の全米図書賞(National Book Award)の候補作のひとつ、Nicole Krauss の "Great House" を何とか読みおえた。さっそくレビューを書いておこう。Great House作者: Nicole Krauss出版社/メーカー: Viking発売日…
今日はえらく冷えこみ、そのせいか風邪の熱がぶり返して終日頭が重かったが、それでも最後から2番目の話、"Swimming Holes" の続編を何とか読みおえた。これはつらい物語だ。 主人公は第1部と同じくロンドンに住む大学教授で、長年連れ添った妻がアルツを…
今日は昨日より少し体調がよく、相変わらずカタツムリ君のペースではあるが、何とか次の1話、"All Rise" の後編を読みおえた。前編は第1部の第1話だが、これは第2部第2話。なぜ順番が入れ替わったのかはよくわからない。 ともあれ主人公は前と同じ中年…
仕事のヤマは何とか越えたが、今度は風邪をひいてしまい絶不調。やっぱり年ですなあ。 おかげで今日は次の1話、"True Kindness" の続編を読むのがやっとだった。それでもこれまた心にしみる短編で、とりわけぼくのように、成人したドラ息子やドラ娘をかかえ…
この土日も超多忙で「自宅残業」に明け暮れたが、がんばって1話だけ読み進んだ。まるでカタツムリ君である。 これはやはり連作短編集のようだ。第1話でちらっと顔を出したチリの青年詩人の娘が、ここではどういうわけかユダヤ人のアンティーク商の娘となっ…
仕事が佳境に入り、残業もしっかりこなして帰宅。それでも次の1話、"Swimming Holes" を読みおえた。これは心にしみる秀作短編だ。読了後、ふっと溜息をついてしまった。 昨日、本書は「どうも長編ではな」く、「人物的におそらく関係のない独立した」短編…
今年の全米図書賞(National Book Award)候補作、Nicole Krauss の "Great House" に取りかかった。Krauss といえば "The History of Love" が有名だが、ぼくは恥ずかしながら未読。手持ちのペイパーバックによると同書は2005年刊。5年前はまだ、おおむね…
今年は珍しく、ショートリストに残らなかった候補作を5冊も読んだので、ロングリストだけの「面白度」格付け遊びをしてみよう。個人的には、上位2、3作くらいはショートリストに選ばれてもよかったのではないかと思っている。レビューはすべて再録である…
予定より大幅に遅れてしまったが、今年のブッカー賞ロングリスト候補作、Helen Dunmore の "The Betrayal" をやっと読みおえた。例によってさっそくレビューを書いておこう。The Betrayal作者: Helen Dunmore出版社/メーカー: Fig Tree発売日: 2010/04/29メ…
いやはや、それにしても昨日のブッカー賞の発表には驚いた! なにしろ、ぼくが「栄冠に輝かないことを切に祈る」とまで酷評した Howard Jacobson の "The Finkler Question" がまさに栄冠に輝いてしまったのだから、選考委員諸氏のことを思うと、「この世に…
しばらくブログをサボっているうちに今年のブッカー賞の受賞作が発表された。ぼくの「面白度」ランキングで最下位だった Howard Jacobson の "The Finkler Question" である! ぼくは本書の読了後、読んだ時間を返してくれ、と言いたくなるほどの駄作だと思…
ああ、リョサがノーベル文学賞を取ってしまった! 恥ずかしながらぼくは、積ん読のペイパーバックが2冊あるだけで未読。ぼくのようなサラリーマン洋書ファンが英米の新作を追っかけていると、英米にかぎらず世界の古典名作を catch up する時間が取れない。…
8月に読みたかった本が何冊かあり、ほんとうはそちらのほうが気がかりなのだが、まだ読み残している今年のブッカー賞のショートリスト落選候補作を今読んでおかないと、たぶん永久に積ん読になってしまうだろう。ということで、Helen Dunmore の "The Betra…
ブッカー賞の最終候補作を今年初めて(と思ったら、07年に続いて2回目だった)発表前にぜんぶ読みおえた。そこで予想がてら、恒例の「面白度」ランキングを発表しておこう。レビューはどれも再録で、( )内は現時点の William Hill による人気順とオッズを…
今はどうか知らないが、少し前だと雑感(1)にも書いたとおり、日本のアマゾンではなぜかどの版も入手が遅れそうだったので急遽、アマゾンUKからわざわざハードカバーを取り寄せた。おかげで大枚をはたいてしまい、月末にかみさんから大目玉をくいそうだが…
今日は朝のうち「自宅残業」に励んだが、昼過ぎから本書の残りに取り組み、ジョギングに出かける前に何とか読みおえた。これで今年のブッカー賞最終候補作をぜんぶ読了したことになる。さっそく例によってレビューを書いておこう。In a Strange Room作者:Gal…
今日は第2部を読んでみた。相変わらず快調で、読めば読むほどますます気に入っている。個人的な趣味だけで言えば Tom McCarthy の "C" より好きな作品だ。が、小粒なのでいちおう対抗馬にしておこう。それゆえ、もしこれが栄冠に輝くようなら番狂わせと言え…
今年のブッカー賞最終候補作のうち、William Hill のオッズによると3番人気の Damon Galgut 作、"In a Strange Room" にようやく取りかかった。ようやく、というのは、7月末に日本のアマゾンに注文していたペイパーバック版がなぜかいっこうに届かず、しび…
昨日、本書のレビューらしきものを書くとき、はたと困ってしまった。美点がほとんど見当たらなかったからだ。小説にかぎらず出版物を商業ベースに乗せることがいかに大変な作業であるか多少は心得ているので、ぼくは基本的にレビューではホメホメおじさんに…
予定よりずいぶん遅れてしまったが、今年のブッカー賞最終候補作のひとつ、Howard Jacobson の "The Finkler Question" をやっと読みおえた。例によってさっそくレビューを書いておこう。The Finkler Question作者:Jacobson, HowardBloomsbury Publishing PL…
予定では昨日読みおえるはずだったが、さっぱりペースが上がらず途中であきらめ、あと1日はかかりそうだ。おととい飲み過ぎたのも一因だが、正直言って本書はかなり退屈です。その後、「何だかどうでもいいような話」ではなくなったのはいいけれど、これ、…
7月末に注文した Damon Galgut の "In a Strange Room" がまだ届かない。仕方なく、今年のブッカー賞最終候補作でいちばん人気薄らしい Howard Jacobson の "The Finkler Question" に取りかかった。 第一印象を述べると、あまり期待していなかったせいか意…